IgA抗体検査について

USバイオテック研究所での社内研究の結果、IgE抗体が陰性の検体の90-95%のうち、70-85%がIgG抗体で陽性でした。そして、IgEとIgGが両方とも陰性の検体のうち、30-40%がIgA抗体において陽性を示しています。

IgA抗体検査をするは、原因食物や吸入抗原を特定するための追加情報となります。

IgG及びIgAをどのタイミングで測定すべきか、また、どちらを測定すべきかを断定するのは、現在のところ困難です。

慢性免疫異常の場合はIgG及びIgAを同時に測定することがより有用です。

最新情報

  • 液性免疫及び粘膜免疫能の低下や経口摂取物に対する寛容の低下により、各種の疾病が誘発されます。こうした免疫能の低下(寛容の低下)は、消化器(主に小腸)における食物蛋白の異常処理が原因であり、食物アレルギー誘発の一因になっています。
  • 食物抗原に対するIgE、IgG及びIgA抗体の増加により、免疫能低下を更に促進させていることが研究結果として報告されています。例えば、食物物抗原に対するIgA抗体の測定は小腸内でグルテンに対する自己抗体を産生するセリアック病の診断用マーカーとして有用です。

免疫寛容の引き金になる特異IgA抗体を調べることは、免疫寛容低下が疑われる慢性炎症性疾患のスクリーニングやマネジメントにも有用です。

IgA抗体は、初期免疫反応を現わします。IgG抗体の半減期は長く20-24日であるのに対し、IgA抗体の半減期は5-6日です。またIgA抗体は免疫反応の進行時に出現する抗体です。臨床的にIgG及びIgA抗体の同時測定は更に有用です。

IgA抗体は各種抗原に対して初期抗体としての役割を果たしています。最初にIgA抗体はs-IgA(分泌型IgA)として出現し、特に局所免疫や粘膜分泌液に主に出現します。消化管の過剰抗原の除去の為にs-IgA(分泌型IgA)は分泌され、過剰の体内吸収を抑制します。例として食物消化残渣ペプチド、細菌(バクテリア)、ウイルス、原虫類や真菌類を処理します。処理されたこれらのタンパク質は通常、小腸で吸収されます。

IgA抗体は体の粘膜組織に存在し、消化管の小腸粘膜だけでなく、唾液、涙、呼吸器の気道にも存在し“免疫排除”の役割を担っています。

一般的に食物抗原とIgGが免疫複合体を形成し排除作用が成立している時期に、IgAの関与は少なく、量も少ないとされています。IgGと免疫複合体を形成する食物抗原として、カゼイン、ウシアルブミン、α-ラクトフェリン、卵白アルブミン等が(主に食物アレルゲン)存在しています。しかしながら初期の食物抗原排除にs-IgAが重要な役割を担っています。

またIgA抗体が過剰に存在する疾患としてヘノッホ・シェーライン紫斑病が知られており、同疾患の場合は全てのIgA(サブクラスを含む)が増加し、各種食物抗原と形成された免疫複合体が広範な粘膜構造に見られ、抗原が存在する組織は生体反応として食物抗原の寛容性のバランスを破壊し、食物抗原に対する過剰免疫反応が発生します。

一般的に血清IgA量はIgGと比較して少なく、血液中に循環しているIgAは全体の半分位であり、残りの半分のIgAはs-IgA(分泌型IgA)として外分泌物として存在しています。

IgAは補体成分のC1qに結合しないことから、IgGのようにC1qと結合して補体の古典的経路(complement pathway)を活性化しません。IgAは他補体系路(Alternate complement pathway)を活性化するといわれていますが、病理学的異常環境下でIgA合成亢進が行われ炎症の原因として役割を示しているとも考えられています。

大部分の食物特異的IgA検査はセリアック病のグルテン過敏に関するものですが、これは、この検査法がより普及しているためです。

血中IgAが顕著に増加する疾患としては、セリアック病のような小腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、リウマチ熱、バージャー病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)等が挙げられます。抗グリアジンIgAは、幼少時のセリアック病における粘膜損傷のマーカーと考えられています。HSPを発症している子供の血清中にIgAグリアジン免疫複合体が存在することは、腸透過性の増加を伴う腸粘膜層の変性を示しています。IgA腎症において、食物特異的IgAは、必ずしも明確で無い理由によって証明されています。(例: IgA免疫制御障害、肝クリアランス障害)